あまざら

岡本光博

¥ 305,800- (税込)

EC販売

作品番号
awfa00524
部数
1
制作年
2016
サイズ
42.5cm×38.2cm×H4.8cm
その他
ST387 セラミック、金彩
信楽まちなか芸術祭(2016)出品作品 
箱付

作品購入はこちらから

◎作品購入に関するお問い合わせは、上記お問合せボタンよりお問合せください。追って担当者よりご連絡させていただきます。数に限りがございます。なくなり次第販売終了いたします。

コメント Comments

  • eitoeiko

    ギャラリー

    雨後の水たまりを石膏で固めて写し取り、粘土に置き換え金彩色の技法を用いて焼成する。岡本光博がはじめて手がけた陶芸作品を一言で解説すればそういうことになる。近年、「陶芸」は大きなブームとなっているが、土という自然/大地を素材とするオブジェが流行のロハス的なライフスタイルにぴたりとはまること、各地で無数に開かれる「クラフトイベント」が作り手の発表の機会を広げたことなどがその後押しとなっているのだろう。しかし、北から南までどのイベントでも同じような作品がずらりと並び、作り手の態度と受け手の意識(生活)はむしろ没個性的で均質化されてきているように思えてならない。一方、コンテンポラリーアートからの「陶芸」に対するアプローチも近年活発になっているが、それらは近現代に強固な権威と化した「芸術としての陶芸」へのカウンターとして機能する。そもそも陶芸は自然素材と手業による偶像であるため、人の力を超越したところにある詩的な言語や「呪術性」、「神秘性」といったキーワードをもってよく語られてきたが、いわゆる陶芸家ではない現代作家の多くは、そうしたアウラをごっそりはぎとり、古来より連綿と続く伝統的な「造形」につらなる現代の表現を模索し、両者の接続を試みようとしているのだ。岡本の本作にもそうした「現代」の日本文化における陶芸のありようが示されているが、さらにそこには没個性、反技巧、決定、反復、型、平凡といった民藝ほんらいの要素を備えた作為のない美が提示されており、形骸化した「民藝」へのアンチテーゼとしても活きてくる。自然が生み出す形にぴたりと寄り添い、一切の作為なきフォルムとマチエールが金彩によって極限まで引き出されたその造形美は見る者の心をいつまでも捉えて離さない。「器」というものの起源を考察するコンセプチュアルな作品であると同時に、「趣味」を超えたところで生活と伝統と美が融合する極めて純度の高いオブジェと言えるだろう。(工藤健志 田川市美術館館長)

アーティスト Artist

岡本光博

Mitsuhiro Okamoto

1968年京都生まれ。滋賀大学大学院修了。近年の参加展に大地の芸術祭(2024)、MICKEY’S LIBERATION(GREY SPACE マニラ 2024)、ラブ&ピース(個展 eitoeiko 2023)、さいたま国際芸術祭(2023)他多数。