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2026.09.23
アーティスト出口雄樹 編 / 連載「作家のアイデンティティ」Vol.48
Edit / Eisuke Onda
独自の切り口で美術の世界をわかりやすく、かつ楽しく紹介する「アートテラー」として活動する、とに〜さんが、作家のアイデンティティに15の質問で迫るシリーズ。今回は、ストリートカルチャーやグラフィティからの影響を取り入れながら、宇宙や鯨などモチーフにした日本画を描くアーティスト・出口雄樹さんのアトリエを訪ね、その作品や創作の背景についてうかがった。
アーティスト OKI KENICHI 編 / 連載「作家のアイデンティティ」Vol.47 はこちら!
今回の作家:出口雄樹
1986年福岡県生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科日本画専攻修士課程修了後に渡米。ニューヨークで制作を行い、国内外で多数の個展・グループ展に参加。三菱商事アートゲートプログラム奨学生に選出され、公益財団法人吉野石膏美術振興財団や国際交流基金から助成を受けている。2019年に帰国し、京都を拠点に活動。同年、歌手の星野源のアルバムジャケットを手掛けた。東京エリア、名古屋、福岡、京都、仙台、千葉、と各地で個展を開催。現在は京都芸術大学美術研究科芸術専攻(修士)准教授を務めている。AFAF AWARD2025で大賞とオーディエンス賞を受賞。また上賀茂神社、北原照久コレクション、明王物産コレクション、Leo Kuelbs Collection、クラクフ国立美術館等に作品が収蔵されている。
《On the moon-Seize the Opportunity》(2024)
《Under the Moon_Graffiti Writer》(2023)
《Launch a Moon Rocket》(2025)

出口雄樹さんに質問です。(とに〜)
先日は、松坂屋名古屋店でのアートイベントで大変お世話になりました。何の打ち合わせもなしに、アートツアーの一環でいきなり出口さんのブースに訪れたにも関わらず、直々に作品についてご解説いただきましたね。アポなしバラエティ番組のようなノリに真摯にご対応いただき、改めて心より感謝申しあげます。出口さんから語られる内容はとても興味深く、参加者の皆さまも前のめりだったのが印象的でした。むしろアートツアーを早めに切り上げて、残りの時間を出口さんとのトークショーにしてしまいたいくらいでした。ということで、今回はあの日の続きとして、出口さんにもっと掘り下げたかった質問事項をお送りいたします。
Q01. 作家を目指したきっかけは?
自分がいた環境への疑問から始まり、その後は選択の連続だったと思います。
私は母子家庭で育ったため一人の時間も多く、子供の頃から絵を描くのは好きでした。しかし、きっかけは何かと考えると、高校時代、ALT(外国語指導助手)のイギリス人講師から、当時まだ日本では無名だったバンクシーの存在を教えられたことでした。ストリートアートのコンテクストに強く惹かれる一方で、地元の福岡で目にしていたのは暴走族によるただの粗暴な落書きでした。「同じ『街に描く行為』でありながら、なぜ米英のグラフィティには社会性や美学が存在するのか」という疑問を抱いたのが原点です。その後、自身でもストリート表現を試みましたが、ストリートの領域に没入しきる手前で、アカデミックな芸大進学へ舵を切りました。専攻に日本画を選んだのは、10代なりに立てた明確な差別化戦略です。油彩やアクリルといった西洋の文脈は世界中にプレイヤーがいますが、日本画の媒体としての特殊性や文脈は、グローバルなアートマーケットにおいて際立ったアドバンテージになると計算したからです。あの時の冷めた選択が、現在の自身の表現の基盤になっています。

「当時、福岡から芸大に行く人は少なくて。先生からは推薦枠のある別の大学を薦められていたんです。どうせ九州から出るなら、てっぺんを目指そうと思って東京藝大を目指したんです。ちょっと戦国武将っぽい感じですけどね(笑)」
Q02. 青春時代、一番影響を受けたものは何ですか?
『チャンプロード』や『KAZEMAGAZINE』などのいくつかの雑誌、RHYMESTERやマボロシなどの楽曲です。
中学生の頃は、友人たちと雑誌『チャンプロード』を回し読みしていました。当時は言語化できていませんでしたが、いま思えば、ロケットカウルや三段シートなどで極端にデフォルメされた改造単車に、日本独自の異様な「造形的面白さ」を感じ取っていたのだと思います。
高校生になりグラフィティの存在を知ってからは、視点がより鋭利になりました。『Studio Voice』のグラフィティ特集や、日本のストリートカルチャーのドキュメント誌『KAZEMAGAZINE』を見ていました。
音楽面では、DJ MASTERKEYの『Def Jam 2000』をはじめ、RHYMESTERやマボロシなどをよく聴いていました。彼らの楽曲における「韻」を踏んだ言葉の応酬に、強い衝撃と魅力を感じていたのを覚えています。異質な造形、街のグラフィティ、そして言葉の構造。思春期に触れたこれらのストリートの文脈が、現在の自分の表現手法やサンプリング思考の原点になっています。

アトリエにあった『チャンプロード』と『KAZEMAGAZINE』、マボロシ、RHYMESTERのCDなど
Q03. もしも作家になってなかったら、今何になっていたと思いますか?
自衛官、海洋学者、あるいは美術史家になっていたかもしれません。
これまでの人生にはいくつかの明確な分岐点がありました。進路の候補にあった防衛大学校へ進んでいれば自衛官になっていたでしょうし、元々好きだった自然科学の領域を追究して海洋学者や水族館の職員を目指していた世界線もあったと思います。もうひとつ、現実味があったのは美術史家です。NYで親しくさせていただいていたコロンビア大学の村瀬実惠子先生に真剣に師事していたら、研究者の道を歩んでいたかもしれません。村瀬先生は2025年に100歳でこの世を去られました。しかし、生前の先生との交流の中でいただいた「美術史に対する圧倒的な熱量」は、間違いなく今の自分の中に息づいています。現在、近々出版予定の新書で、作家の視点から紐解く美術史の入門書(タイトル未定)を執筆中なのですが、この取り組みも先生から分けていただいた情熱の延長線上にあると感じています。

「NY時代に日本美術史家の村瀬実惠子先生と出会い、アメリカにおける日本美術の受容に関して学びました。もしアメリカで現代美術一辺倒になっていたら、多分、今の自分はなくて。先生との出会いから、日本美術をどう現代化するかを考えるようになったんです」
Q04. NY時代の鉄板エピソードを教えてください。
英字ロゴが入ったTシャツの話。
これは本格的にアメリカへ住む前、10代の頃に親に無理を言って、念願のニューヨークへ初旅行した時の話です。 当時の私は、「アートの街NYを歩いてるんだ〜」という完全なお上りさんです。 当然、行く先はMoMA(ニューヨーク近代美術館)。 ここぞとばかりに勝負服を選びました。バンクシーの有名なステンシル画がプリントされたTシャツです。首からプラカードを下げた猿の絵に、英語で何かスローガンが書かれています。意味はよく分かりませんが、「なんかストリート感あってカッコいい」と意気揚々と入館しました。 すると、展示室に入った瞬間、ガタイの良い監視員のおばちゃんから死ぬほどガン見されました。 じーっと私の胸元を見つめた後、重々しいトーンでこう言ってきたのです。 「……あなた、すごいTシャツ着てるわね」と。 当時は英語がほとんど分からず、「ふふん、アート通だとバレたか」くらいな感じで、笑顔でスルーしました。 しかしホテルに戻り、気になってTシャツの文字を辞書で調べて顔面蒼白になりました。 そこに書かれていたのは、 『Laugh now, but one day we'll be in charge』 ……やってしまいました。 アジア人のティーンエイジャーが、世界の中心NYの最高峰の美術館に乗り込み、猿の絵とともに「今は笑っとけ。すぐに俺たちがこの街(世界)を支配してやる」という鮮烈な宣戦布告をかましていたのです。そりゃおばちゃんも二度見します。監視対象です。 自分の恐ろしすぎる政治的アピールに気づいた瞬間、猛烈な恥ずかしさで、文字通り赤面して転げ回りました。 それ以来、私は意味の分からない英字ロゴが入ったTシャツを二度と着れなくなりました。
Q05. 出口さんの作品には、グラフィティが登場するものがあります。その理由を教えてください。
消されゆくストリートの記憶の「記録」と、かつて封印したストリートでの初期衝動の「解放」です。
初めてNYを訪れた2000年代初頭、街にはまだ圧倒的な熱量をもったグラフィティが溢れていました。しかしその後、藝大の日本画科へ進学すると、アカデミックで保守的な環境の中でストリートへの感覚は、一度蓋をせざるを得ませんでした。一方で、NYにおけるグラフィティは急速に姿を消していきます。1990年代のジュリアーニ市長時代から始まった一掃運動は、2000年代のブルームバーグ市政下でさらに徹底され、地下鉄や路上を彩っていた数々のマスターピースが街から消去されていきました。再び渡米した2013年、過酷な浄化作戦を掻い潜り、路上や地下鉄に密かに「生存」していたグラフィティを目にした時、胸の奥に眠っていた当時の熱気が一気にフラッシュバックしたのです。権力によって消去されていく都市の記憶やグラフィティの強度を、日本画というメディアの上にレイヤーとして定着させること。それは、かつて自ら封印した表現の原点と再び向き合う作業でもあります。

《On the Moon-a Board Cleaner》(2025)
Q06. 日本画の画材で宇宙やグラフティを描いていらっしゃいますが、相性はよいものなのですか?
相性は良いと感じています。世間一般のイメージとは異なり、日本画の画材は本来、極めて色彩豊かで強烈なマテリアリティ(物質感)を持っています。
日本画材に対して「わびさび」や「淡く渋い色合い」といった静的な印象を抱く方は多いかもしれません。しかし、岩絵具や水干絵具の原色は非常に鮮烈で、粒子の粗さや光の反射によって、アクリルや油彩では出せない奥行きと発色を備えています。また、意外にも絹の質感や墨の表現は月面の雰囲気を出しやすいのです。扱う人間のロジックと感性次第で、ストリートのグラフィティが持つ圧倒的なネオンカラーや対比の鮮やかさを表現することも、宇宙空間のどこまでも深い闇と星雲の質感を生み出すことも可能です。むしろ、スプレーの平滑な色彩とは対照的に、鉱物粒子という「質感のある物質」でグラフィティや天体を立ち上げること自体が、私の作品における重要な強みであり相性の良さだと考えています。

画材や手法の使い分けには、明確な線引きがあるという出口さん。「書道の真・行・草のように、日本画材だけの作品、スプレーなどを使った作品、その中間と3段階に分けていて。作品に一貫性がないように見えても、根底にはストーリーがあるんです」
Q07. 宇宙をモチーフにするようになったきっかけは何ですか?
伝統的な「山水画」の概念を現代的に拡張しようと考えた結果と、佐伯和人教授との出会いです。
6年以上過ごしたアメリカから帰国して京都へ拠点を移し、「上賀茂神社(賀茂別雷神社)賀茂競馬930年記念」の奉納絵を手掛けたことで、日本画に改めて深く向き合うことになりました。その後、宋代の古典絵画に倣った山水画を追求する中で、「現代において山水画の持つ『視座』や『スケール感』をどこまで押し広げられるか」という思考に至り、辿り着いたのが幼少期から惹かれていた「宇宙」というモチーフでした。その後、当時大阪大学に在籍されていた佐伯和人教授と知己を得たことで、作品はよりソリッドな領域へ展開していきました。月の砂(レゴリス)の模擬岩石を用いて月面を描き、東京大学で展示を行ったことを皮切りに、現在は佐伯先生とともに「レゴリスシミュラント(模擬月砂)と同じ成分を持つ日本画絵具」の共同開発を進めています。概念としての山水画を宇宙へスケールアップさせると同時に、マテリアル(画材)そのものを科学的に追求すること。その両輪が現在の宇宙シリーズの軸になっています。

Q08. 出口さんが思う山水画の魅力とは?
現実を超えた「空間の再構成」ができる自由さと、絵画の中を旅するような鑑賞体験です。
山水画の本質は、単なる目の前の風景の写生ではありません。実際には存在しない景色や、行ったことのない場所、あり得ない視点の組み合わせを、描く人間の美学に基づいて一つの画面上に再構築できる点に大きな魅力があります。私にとって「宇宙を描くこと」も、この山水画の精神の延長線上にあります。また、鑑賞上の魅力で言えば、「自分自身が小人になったつもりで、絵の中の空間を自由に散策する」という楽しみ方です。遠近法に縛られない東洋の山水画は、視点を移動させながら絵の中に入り込み、深く分け入っていくような体験を与えてくれます。一枚の絵の中に広がる広大な世界を「旅する」ような感覚になれることこそが、山水画の持つ真の面白さだと思います。

Q09. 宇宙を描く上でもっとも大事にしていることは何ですか?
資料の再構築による「独自のリアリティ」と、「あえて星を描かない」という引き算です。
絵画の面白さは、誰も行ったことのない場所であっても想像力によって、空間を構築できる点にあります。しかし同時に、一般にアクセスできる宇宙関連の資料は一見多く見えて、実はバリエーションが限られています。既存の写真資料をそのままトレースすることは作家としての倫理や表現の観点から避けるべきであり、私は写真や模型、書籍といった多角的な資料を咀嚼した上で、自身の想像力と組み合わせて「私なりの宇宙の風景」を再構築することを徹底しています。もうひとつ表現上で強く意識しているのは、「あえて星を描かない」ということです。無数の星々を描き足して装飾するのではなく、余計な情報を削ぎ落とすことで、宇宙空間が持つ圧倒的で深淵な「黒」そのものを際立たせる。情報過多な現代において、空白や静寂としての「漆黒」をどう立ち上げるかという点に、最も重きを置いています。

Q10. アトリエの一番のこだわり or 自慢の作業道具など
【こだわり】 自作した大小2種類のスプレーブースです。
ひとつは模型用のものを改造したもので、『Subliminal switch』などの小作品用。もうひとつは、ストリートで用いられる本格的なスプレー缶をそのまま使用できる大型作品用のブースです。



【自慢の道具】円形の硯と墨
スプレーブースと対照的ですが、愛用しているのは東寺の弘法市で見つけた中国の円形硯です。日本ではまず見かけない特異な形状で、方々を探し回ってようやく手に入れました。決して値の張るものではないのですが、手放せない必需品です。 また、墨運堂の「百選墨」も欠かせない画材です。昭和の職人が独自のレシピで仕込んだ稀少な100種類の中から、自分の作風に合うものを厳選して使っています。 もっと古い墨や逆に若い墨を使うこともありますが、年代に固執しているわけではありません。古い墨は膠が弱くなり、墨の定着力が変化するため、追加で膠を補う必要があります。しかし、絹本の裏打ち時の墨写りを勘案すると、あえて発色の良い比較的「若い墨」を選ぶ方が賢明な場合もあります。

Q11. 職業病だなぁと思うことは?
美術館やギャラリーに行っても、作品よりもまず「展示の構造や構成」に目がいってしまうことです。
美術館に行った際、純粋に作品を鑑賞したい気持ちはあるのですが、会場に入った瞬間、空間構成や壁面の造作、照明の当て方、導線設計ばかりに意識が向いてしまいます。「自分の作品ならどう見せるか」「なぜこの文脈でこの配置にしたのか」という舞台裏のことを無意識に考えてしまいます。特に大きな美術館の特別展などでは、常設展では見られない特注の造作や空間演出が多いので、余計に作品そのものが目に入らなくなります。結局、2周目でようやく「作品そのものの鑑賞」と、毎回意図せず2周することになります。展覧会を素直に楽しむのは、なかなか難しいですね。
Q12. もし、どこにでも宇宙旅行できるとしたら、まずはどこに行って何をしたいですか?
まずは「月」に行き、月の地平線からの「地球の出(Earthrise)」をこの目で見てみたいです。
ロバート・A・ハインラインの『月は無慈悲な夜の女王』や、ジェイムズ・P・ホーガンの『星を継ぐもの』の登場人物たちのように、荒涼とした月面から自分たちの故郷である地球をノスタルジックに眺めてみたい。人類が積み上げてきたSF的想像力や科学の文脈が重なるその場所で、何を自分が感じ取るのかに興味があります。漆黒の闇の中にポツリと浮かぶ鮮烈な青い地球を前にした時、写真やデータ越しでは得られない圧倒的な「リアリティ」と「質感」を体感できるはずです。そして、その極限の視座から得た生々しい感動とインスピレーションを、新たな作品へと昇華させ、画面の上に立ち上げたいですね。


白壁に改装し、ギャラリーのような風貌に仕上げた京都のアトリエ。至る所に宇宙やSFに関する資料がずらり。「昔からスター・ウォーズとかアメリカンカルチャーが大好きで、そこから派生してSFもどんどん好きになっていきましたね」
Q13. 宇宙をテーマにしたエンタメでもっとも好きなものは何ですか?
『スター・ウォーズ』のオリジナル・トリロジー(エピソード4・5・6)です。
好きなSF作品や映画は数多くありますが、「最も」と問われれば、やはりスターウォーズの原点である初期3部作でしょうか。幼少期から何度も観返し、ジョージ・ルーカスが生み出した膨大な世界観に魅了され続けてきました。スピンオフも含め多角的な展開を見せるシリーズですが、プロダクトやクリーチャーの造形デザイン、そして物語の普遍的な構造美という意味でも、やはり原点の3作品が圧倒的だと感じています。余談ですが、かつてNYのアートフェアの会場で、偶然ジョージ・ルーカス本人をお見かけしたことがあります。憧れの巨匠を前に完全に気押されてしまい、どうしても声をかける勇気が出ませんでした。あのアートの最前線で一人のファンに戻ってしまった甘い後悔は、今でも鮮明に覚えています。

Q14. マイベスト映画は何ですか?
スタンリー・キューブリックの『2001年宇宙の旅』です。圧倒的なディテールとデザイン美は、何度観ても惚れ惚れさせられます。
非常に難しい問いですが、最も衝撃を受けたのが『2001年宇宙の旅』です。「片手間に鑑賞できる映画」ではなく、対峙するだけで膨大な集中力とカロリーを消費するほどの画面の強度を持っています。緻密に計算し尽くされた構図やレイアウトはもちろん、宇宙船やセット、各種プロダクトの圧倒的なディテールとデザイン美には、何度観ても惚れ惚れさせられます。特に印象的なのは、宇宙ステーションでテレビ電話をするシーンです。窓の外に静かに輝く月の姿が描かれているのですが、私自身、作品を制作する際には「鑑賞者がまるで宇宙船のキャビンから宇宙空間を覗き込んでいるかのような没入感」を生み出したいと考えており、あの構図のあり方には多大な影響を受けています。

Q15. 今後挑戦してみたいことは何ですか?
美術館などのパブリックな大空間で、自身のすべてのシリーズを網羅する大規模な個展を開催することです。
10代の頃に高揚感とともに体感したストリートカルチャー。芸大で基礎を学び、帰国後に可能性を再認識した日本画。挫折も苦い経験も含めて首までどっぷりと浸かった、NYの現代美術の最前線。そして、現在京都で息をするように触れる国宝や重要文化財の数々。これらは一見、相反する要素に見えるかもしれません。しかし今の私の中では、すべてが必然性をもってレイヤーのように重なり合い、ひとつの新しい表現として結晶化しています。この相反するカルチャーと歴史が融合した時に生まれるダイナミズムと面白さを、より開かれたパブリックな空間で、より多くの方々に体感していただくこと。それが、表現者としてこれから挑むべき最大の課題であり、目標です。


たっぷりと真摯にご回答頂きありがとうございました! これまでこのシリーズに多くの作家さんにご出演頂きましたが、回答量に関して言えば、出口さんが暫定でぶっちぎり1位。回答そのものがまるで宇宙のようでした(笑)。
美術史や画材の知見はもちろんのこと、宇宙や文学、映画や音楽からストリートカルチャーまで。その果てしない知識量に感嘆すると同時に、だからこそこれだけ奥行きのある深遠な作品が生み出せるのだと実感させられました。そんな出口さんが中学時代に『チャンプロード』を読んでいたとは!にわかには信じられません。
まだまだお話は尽きないことでしょう。松坂屋名古屋店の出口さんの個展会期中、10月4日に急遽トークショーが決まりました。題して「アーティスト 出口雄樹氏×アートテラー・とに~氏の無限大トーク」とのこと。紙面で伝えきれなかったお話を直接聴きたい方は、是非会場へ遊びにいらしてくださいませ。(とに〜)
Information
Yuki Ideguchi Solo Exhibition
-Inter- Gravitational Point/引力の交差点
■会期
2026年9月30日(水)→10月13日(火)
■営業時間
10:00~19:00
※最終日は16:00閉廊
■会場
松坂屋名古屋店
本館8階 ART HUB NAGOYA open gallery
愛知県名古屋市中区栄3丁目16-1
■入場料
無料
展覧会の詳細はこちら
アーティスト 出口雄樹氏×アートテラー・とに~氏の無限大トーク
アートテラー・とに~さんとトークイベントを開催!
出展作家の出口雄樹氏とアートの魅力を楽しくわかりやすく伝えるアートテラー・とに~氏による予測不能のライブトーク。ぜひ、お気軽にお楽しみください。
■開催日
2026年10月4日(日)
■開催時間
14:00~15:00
■会場
松坂屋名古屋店
本館8階 ART HUB NAGOYA open gallery
愛知県名古屋市中区栄3丁目16-1
参加費無料・予約なしでも当日参加可能。
大丸松坂屋アプリ会員様限定で先着20名様まで事前予約を承ります。
事前予約いただいたお客様には、オリジナル缶バッジをプレゼント!
事前予約はこちらからご応募ください
【大丸・松坂屋アプリ会員未登録のお客様へ】
事前予約には大丸・松坂屋アプリ会員登録が必要です。
大丸・松坂屋アプリのご登録はこちら
※会員登録時に入会コード〈210-850900〉をご入力ください。
ARTIST

出口雄樹
アーティスト
1986年福岡県生まれ。1986年福岡県生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科日本画専攻修士課程修了後に渡米。ニューヨークで制作を行い、国内外で多数の個展・グループ展に参加。三菱商事アートゲートプログラム奨学生に選出され、公益財団法人吉野石膏美術振興財団や国際交流基金から助成を受けている。2019年に帰国し、京都を拠点に活動。同年、歌手の星野源のアルバムジャケットを手掛けた。東京エリア、名古屋、福岡、京都、仙台、千葉、と各地で個展を開催。現在は京都芸術大学美術研究科芸術専攻(修士)准教授を務めている。AFAF AWARD2025で大賞とオーディエンス賞を受賞。また上賀茂神社、北原照久コレクション、明王物産コレクション、Leo Kuelbs Collection、クラクフ国立美術館等に作品が収蔵されている。
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アートテラー・とに~
アートテラー
1983年生まれ。元吉本興業のお笑い芸人。 芸人活動の傍ら趣味で書き続けていたアートブログが人気となり、現在は、独自の切り口で美術の世界をわかりやすく、かつ楽しく紹介する「アートテラー」として活動。 美術館での公式トークイベントでのガイドや美術講座の講師、アートツアーの企画運営をはじめ、雑誌連載、ラジオやテレビへの出演など、幅広く活動中。 アートブログ https://ameblo.jp/artony/ 《主な著書》 『ようこそ!西洋絵画の流れがラクラク頭に入る美術館へ』(誠文堂新光社) 『名画たちのホンネ』(三笠書房)
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