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ESSAY

2023.07.05

まえばしガレリアを設計した建築家・平田晃久に聞く、群馬で感動したこと / 連載「あの街のアートとカルチャー」Vol.6

Edit / Eisuke Onda
Design / ​​Hiroki IIMURA

最近、面白かった展示は? 注目のアーティストは? どんなカルチャーに触れて感動した? さまざまな場所で生活しながら、新しい文化を探す人たちに問いかける連載「あの街のアートとカルチャー」。

今回教えてくれるのは今春に群馬県・前橋にオープンした複合施設〈まえばしガレリア〉を設計した建築家の平田晃久さん。〈太田市美術館・図書館 〉など群馬で設計を数多く担当する、平田さんにこの街のオススメの展示や、スポットについて聞いてみた。

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ESSAY

〈trelescope@art美術古書店〉店主・廣瀬友子に聞く、美しい山梨のアートと自然 / 連載「あの街のアートとカルチャー」Vol.5

  • #廣瀬友子 #連載

Q1
最近、観た展示は?

A1 
「ディノス・チャップマン 「ƎVƎI⅃Ǝꓭ」」

Dinos Chapman, “Evolution Can Go to Hell”, 2021, pencil on paper, 26.7 x 20.3 cm © Dinos Chapman/Courtesy of Taka Ishii Gallery and Ratio 3, San Francisco / Photo: Ratio 3, San Francisco

「かわいさと不気味さがすばらしくクオリティの高い画面の中に共存していて感動しました。表現の緻密なクオリティにとても驚かされました。作品の中でも、鉛筆のドローイングに特に惹かれました」 

Dinos Chapman “ƎVƎI⅃Ǝꓭ”, installation view at Taka Ishii Gallery Maebashi, May 6 – July 8, 2023./Courtesy of Taka Ishii Gallery / Photo: Kenji Takahashi

ディノス・チャップマン 「ƎVƎI⅃Ǝꓭ」
1962年ロンドン生まれのアーティスト。チャップマンのペインティングやドローイングの近作が展示されている。少年少女や子ウサギなど登場人物の可愛らしさと、描かれている背景の不気味さが交わり、陰鬱で独特な世界観を映し出す。

会期:2023年5月6日(土) – 7月9日(日)
営業時間:11:00 〜 19:00
休み:月曜、火曜、祝日休館
会場:タカ・イシイギャラリー 前橋(群馬県前橋市千代田町5-9-1 まえばしガレリア 1F)
公式HPはこちら

 

Q2
最近、注目のアーティストは?

A2
片山真理

シリーズ《On the way home》は2017年に群馬県立近代美術館で発表したシリーズ。幼少期より慣れ親しんだ土地で、制作した立体作品と共に撮影したセルフポートレート。写真は《on the way home #001 C-print》(2016)©Mari Katayama

「単純にかっこいいなと思いました。特に《On the way home》というシリーズが、関東平野の乾いた風景の感じを捉えていたのが印象的でした。あの場所の空気感とも響き合っています」

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新作のシリーズ《Calypso》。写真は《Calypso #002》(2022)©Mari Katayama

片山真理
1987年埼玉県生まれ、群馬県育ち。2012年東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻修了。高校在学中の「群馬青年ビエンナーレ'05」入賞をきっかけに作家活動をスタート。自らの身体を模した手縫いのオブジェ、ペインティング、コラージュのほか、それらの作品を用いて細部まで演出を施したセルフポートレイトなど、多彩な作品を制作。

公式HPはこちら

 

Q3
最近、お気に入りのスポットは?

A3
Restaurant OHTAYA

店内

「美味しいです。そして平田事務所の設計した空間なんです」

いちごのタルト

「太田の野菜を使ったサラダや付け合わせ、タルトが秀逸です」

〈Ohtaya〉
「ちょっといい日。に上質な洋食を」をモットーに地元の野菜をつかった料理を提供する洋食店。タルトの名物“おおたると”はテイクアウトも可能。

LUNCH:11:30~14に:30(L.O 14:00)
CAFE:15:00~17:00(L.O 16:30)
DINNER:17:30~22:00 (L.O 21:00)
住所:群馬県太田市脇屋町826-1
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Q4
最近、感動したカルチャーは?

A4
前橋BOOK FES

「去年の秋に行きました。前橋のアーケードを人々が埋め尽くしていて、ちょっとしたきっかけで、こんな風景が今でも生まれるんだ、と感動しました。各界のさまざまな人の本棚から本が提供されているコーナーがあって、糸井重里さんが大量の本を持って来られていたのが印象的でした」

昨年のHPはこちら

 

Q5
最近、群馬でお気に入りの建築やデザインがありましたら教えてください。

A5
まえばしガレリア

2023年の春にオープンした〈まえばしガレリア〉の外観

住居スペースの内観

「ノーコメントです(笑)」

〈まえばしガレリア〉
「アートの街」を目指す群馬県前橋市に今年の春にオープンした〈まえばしガレリア〉。〈アーツ前橋〉〈白井屋ホテル〉に続く第三のアートの拠点。施設の中には複数のギャラリー、レストラン、住居が一体となっている。

住所:群馬県前橋市千代田町5-9-1
公式HPはこちら

 

Q6
次に観たい展示は?

A6
蜷川実花、宮田裕章のコラボレーション

まえばしガレリア、ギャラリー2で行われる予定の、蜷川実花さんの新作展です。 でも、今回は宮田裕章さん(プロデューサー)やEnzoさん(セットデザイナー)たちと組んでいるクリエイティブチームEiMとともに制作していて、今までとはまた違った蜷川さんの世界が見れるそうです。

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DOORS

平田晃久

建築家

1971年大阪府出身。1997年京都大学大学院工学研究科修了。伊東豊雄建築設計事務所勤務の後、2005年平田晃久建築設計事務所を設立。現在、京都大学教授。主な作品に「桝屋本店」(2006)、「sarugaku」(2008)、「Bloomberg Pavilion」(2011)、「太田市美術館・図書館」、「Tree-ness House」(2017)、「9hours Project」(2018-2020)等。第19回JIA新人賞(2008)、第13回ベネチアビエンナーレ国際建築展金獅子賞(2012、共働受賞)、村野藤吾賞(2018)、BCS賞(2018)等多数受賞。「太田市美術館・図書館」で2022年日本建築学会賞受賞。著書に『Discovering New』(TOTO出版)、『JA108 Akihisa HIRATA 平田晃久2017→2003』(新建築社)等。 ©︎ Luca Gabino

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