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2024.05.02
国内外3都市の美術館のコレクションが集結する展覧会からSTAR WARS EXHIBITIONまで / 編集部が今月、これに行きたい アート備忘録 2024年5月編
Illustration / Nao Sakamoto
たくさんの展覧会やイベントの中から、絶対に行くべきアートスポットを編集部が厳選! 毎月のおすすめをピックアップしてご紹介します。
5月は東京国立近代美術館にパリ市立近代美術館、大阪中之島美術館のコレクションが集結し、3館の作品を並べて鑑賞する「TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション」に注目。 渋谷&心斎橋PARCOではSTAR WARS EXHIBITIONも。
先月紹介のイベントもまだまだ楽しめる!
「TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション」(東京国立近代美術館・東京)
アンリ・マティス《椅子にもたれるオダリスク》1928年、パリ市立近代美術館 photo: Paris Musées/Musée d’Art Moderne de Paris (トリオ、テーマ<モデルたちのパワー>より)
パリ、東京、大阪-それぞれ独自の文化を育んできた3都市の美術館のコレクションが集結。セーヌ川のほとりに建つパリ市立近代美術館、皇居にほど近い東京国立近代美術館、そして大阪市中心部に位置する大阪中之島美術館は、それぞれ豊かなモダンアートのコレクションを保有しています。本展はそんな3館のコレクションから共通点のある作品でトリオを組み構成するという、これまでにないユニークな試み。たとえば西洋絵画の歴史の中で脈々と続いてきた「横たわる女性像」のくくりで、アンリ・マティス、萬鉄五郎、アメデオ・モディリアーニの作品が登場。どれも観る者の視線を跳ね返し、それぞれの美を誇るようなパワーがみなぎっています。
萬鉄五郎《裸体美人》(重要文化財)1912年、東京国立近代美術館 (トリオ、テーマ<モデルたちのパワー>より)
「印刷/版画/グラフィックデザインの断層 1 9 5 7 - 1 9 7 9」(京都国立近代美術館・京都)
横尾忠則 《「第6回東京国際版画ビエンナーレ展」ポスター》 1968年 印刷 京都国立近代美術館蔵
1957年から1979年まで全11回にわたって開催され、当時の気鋭の版画家やデザイナーの活躍の場となった「東京国際版画ビエンナーレ展」に焦点をあて、同展の出品作家を中心に展示。マス・コミュニケーション時代が到来した戦後の日本において、印刷技術の飛躍的な発展とともに美術と大衆文化の結びつきが一層強まり、複製メディアによる新たな表現へ関心が高まりました。本展は、浜口陽三、池田満寿夫、菅井汲、加納光於、野田哲也、高松次郎、木村秀樹、井田照一など、「版」表現に挑んだ作家たちの代表作を一挙に紹介するほか、原弘、田中一光、永井一正、横尾忠則、杉浦康平など、日本を代表するグラフィックデザイン界の巨匠たちが手がけた東京国際版画ビエンナーレ展の貴重な展覧会ポスターも公開されます。
井田照一 《The Spy Surrounds the Spy》1974年 リトグラフ、紙、アセテートフィルム、亜鉛版/木箱 京都国立近代美術館蔵
MISATO ANDOへキース・へリングとの出会いをインタビュー
「キース・へリング展 アートをストリートへ」(兵庫県立美術館 ギャラリー棟3階 ギャラリー・兵庫)
《無題》1983年 中村キース・ヘリング美術館蔵 Keith Haring Artwork ©Keith Haring Foundation
人種や階級、性別、職業に関係なく、多くの人が利用する地下鉄構内の、空いた広告板に貼られていた黒く光沢のない紙にチョークで描く「サブウェイ・ドローイング」で脚光を浴び、以後カルチャーシーンを牽引したキース・ヘリング。わずか31年という短い生涯ながらメッセージ性のある作品を多く残し、国際的に高い評価を受けたヘリングの、日本初公開を含む150点の作品が展示されます。なかには6メートルに及ぶ大型作品も! 明るくポップなイメージで愛された作品に込められた、核放棄、社会に潜む暴力や不平等、性的マイノリティのカミングアウトの祝福、HIV・エイズに対する偏見に対するメッセージなどは、現代社会に生きる我々にも響くはず。
楽しさで頭をいっぱいにしよう!本を読もう!1988年中村キース・ヘリング美術館蔵 Keith Haring Artwork ©Keith Haring Foundation
「SICF25(第25 回スパイラル・インディペンデント・クリエイターズ・フェスティバル)」(スパイラル・東京)
EXHIBITION部門 A日程 Kobayashi Kento作品
若手作家の発掘・育成・支援を目的とした公募展形式のアートフェスティバル「SICF」も今年で25回目。構成はブース出展形式のEXHIBITION部門と、生活に携わる分野のものづくりを対象としたMARKET部門の2部門。EXHIBITION部門では、100組の気鋭の若手作家が2会期に分かれ、立体・インスタレーション、絵画、写真、イラストレーションやそれら既存のジャンルにとらわれない作品を発表し、活発なプレゼンテーションを展開します。MARKET部門も同様に、70組の作家が2会期に分かれ、工芸・クラフト、アクセサリー、プロダクト、ファッションなど生活を豊かに彩る作品を展示、販売。新たな才能に出会えます。
MARKET部門 B日程 ComPotte作品
A日程会期:2024年5月2日(木)〜 5月4日(土・祝)
B日程会期: 2024年5月5日(日・祝)〜 5月7日(火)
会場:スパイラルホール(スパイラル3F)、スパイラルガーデン(スパイラル1F)
住所: 東京都港区南青山5-6-23
公式サイトはこちら
「STAR WARS EXHIBITION ”PASSION STRENGTH POWER”」(PARCO MUSEUM TOKYO・東京/PARCO GALLERY・大阪)
「Boba Fett」(Yoon Hyup)© &™Lucasfilm Ltd. designed by Yoon Hyup,
1977年の全米公開以来、40年以上にわたって世界中で愛される「スター・ウォーズ」シリーズに結び付く「PASSION/STRENGTH/POWER」をテーマにしたアートプロジェクト。佃弘樹、ジェームス・ジャービス、大平龍一、空山基、ダニエル・アーシャムなど、世界各国のアーティスト13名が、「スター・ウォーズ」のキャラクターたちをさまざまな手法、メディア、スケールで独自の作品として表現します。また、会期と合わせて大平龍一が制作したパブリックアートも出現。渋谷 PARCO 1F公園通り側には「ミレニアム・ファルコン」、スペイン坂広場には象徴的な「ダース・ベイダー」と「ストームトルーパー」の作品が高さ3mスケールで登場します。
「Millennium Falcon」© & ™ Lucasfilm Ltd. designed by 大平龍一
【東京・渋谷】
会期:2024年4月26日(金)〜5月13日(月)
会場:PARCO MUSEUM TOKYO
住所:東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷PARCO 4F
【大阪・心斎橋】
会期:2024年5月17日(金)〜6月3日(月)
会場:PARCO GALLERY
住所:大阪府大阪市中央区心斎橋筋1丁目8-3 心斎橋PARCO 14F
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「カルダー:そよぐ、感じる、日本」(麻布台ヒルズ ギャラリー・東京)
Un effet du japonais, 1941 Sheet metal, wire, rod, and paint. 203.2 × 203.2 × 121.9 cm.
吊るされた抽象的な構成要素が、絶えず変化する調和の中でバランスを保ちながら動く「モビール」の発明で知られるアレクサンダー・カルダー。キネティック・アートの先駆者のひとりで、アメリカのモダンアートを代表するカルダーの、東京では約35年ぶりとなる個展が開催。本展のテーマは、日本の伝統や美意識との永続的な共鳴。カルダー財団理事長であるアレクサンダー・S.C.ロウワーのキュレーションと、ペースギャラリーの協力のもと、カルダー財団が所蔵する1930年代から1970年代までの作品約80点で構成され、代表作であるモビール、スタビル、スタンディング・モビールから油彩画、ドローイングなど、幅広い作品を展示します。
Seven Black, Red and Blue, 1947 Oil on canvas 122.2 × 153 cm.
All works by Alexander Calder
All photos courtesy of Calder Foundation, New York / Art Resource, New York
© 2024 Calder Foundation, New York / Artists Rights Society (ARS), New York
会期:2024年5月30(木)〜9月6日(金)
会場:麻布台ヒルズ ギャラリー
住所:東京都港区虎ノ門5-8-1 麻布台ヒルズ ガーデンプラザA MB階
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堀清英 個展「Free again」(YUGEN Gallery・東京)
堀 清英 #K0000 容器直径24cm デジタル出力、ドライフラワー、アルミ容器 2024
詩人のアレン・ギンズバーグやデニス・ホッパー、ロバート・デニーロ、オノ・ヨーコといった歴史的なアーティスト達のポートレートで知られる写真家・堀清英による展覧会。本展は銀塩とデジタル出力の写真作品約30点をはじめ、自身が写真よりも好きなことだと話す「モノを分解すること」に特化した作品展示も。偶然見つけた工業製品や家財道具、風化した廃材を拾ってきては分解し、写真とコラージュするように制作した立体作品も公開されます。本展タイトル「Free again」とは、アレックス・チルトンの同名曲から取られたもの。エディトリアルやコマーシャルフォトの第一線で活躍してきた堀清英が、写真家としての固定観念を解放して展開する新しい世界観に注目です。
堀 清英 #9977 60cm x 90cm デジタル出力、アルミマウント 2024
会期:2024年5月25日(土)〜6月3日(月)
会場:YUGEN Gallery
住所:東京都港区南青山3-1-31 KD南青山ビル4F
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