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2022.11.11

彫刻家 瀬戸優 編 / 連載「作家のアイデンティティ」Vol.8

Photo / Gyo Terauchi

独自の切り口で美術の世界をわかりやすく、かつ楽しく紹介する「アートテラー」として活動する、とに〜さんが、作家のアイデンティティに15問の質問で迫るシリーズ。今回は土に命を宿す彫刻家、瀬戸優さんの背景に迫ります。

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連載「作家のアイデンティティ」Vol.7 / 美術作家 山本雄教 編 はこちら!

連載「作家のアイデンティティ」Vol.7 / 美術作家 山本雄教 編 はこちら!

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美術作家 山本雄教 編 / 連載「作家のアイデンティティ」Vol.7

  • #アートテラーとに〜 #連載

今回の作家:瀬戸優


主に野生動物をモチーフとした彫刻作品を制作する。
彫刻の素材であるテラコッタ(土器)は作家の触覚や軌跡がダイレクトに表面に現れ、躍動感のある作品となっている。

artist-identity-08_yu-seto-1

《月を知る-ライオン-》
2021 / H70×W55×D70cm / テラコッタ、彩色、玉眼

220802se_001

《EARTH KEEPERS-ホッキョクグマ-》
2022 / H80×W60×D100cm / テラコッタ、彩色、玉眼

 

 

tony_pic

瀬戸優さんに質問です。(とに〜)

瀬戸さん、はじめまして。作品やSNSを通じたアーティスト活動はいつも拝見させて頂いております。今回に限らず、これまでにインタビュー取材の経験も多いようですね。ネットを検索したところ、瀬戸さんのインタビュー記事が数多くヒットしました。なので、今回は過去に取材で聞かれたことがありそうな質問は基本的にあえて外しています(どうしても知りたい方は、「ネット見ろ!」ということで)。その代わりに、他のメディアではあまり聞かれたことがないであろうものを中心に、15の質問を設計してみました。

 

水源-ケープペンギン-

Q.01 作家を目指したきっかけは?
彫刻を制作をするのにも、作品を保管するのにも、場所が必要です。
駆け出しのころはとにかく場所がありません。大学以外で制作できず、彫刻が作れないのでドローイングをひたすら描いていました。そのドローイングをSNSに載せることが日課となり、気付けばフォロワーが増え、「作品を購入させてください」と声をかけていただいたことがきっかけです。

 

Q.02 彫刻家あるあるを教えてください。
「場所がない」もそうですが、「大きさの基準に幅がある」…ですかね。手のひらに収まる彫刻を専門にする作家もいれば、屋外に設置する2~3mもの大きさを専門にする作家もいます。作家ごとに「小作品」が違うのはおもしろいですね。僕も小作品のつもりで作ったものが画商さんに「大きすぎるよ」って…笑

確かに、言われてみれば!
絵画の場合は、「号価格(=1号サイズあたりの価格)」という慣習があるので、なんとなくサイズの基準はありますが、彫刻作品の大きさの基準って無いですね。(とに〜)

 

Q.03 動物以外で作ってみたいモチーフはありますか?
自然科学が好きで野生動物を作っているので、やはり自然にまつわるもの、植物、山、天候などモチーフにしたらおもしろそうです。

 

Q.04 職業病だなぁと思うことは?
受験生のころはとにかく人物彫刻を作らされるので、人を見るたび「この人を作るときは…」という目線で見てしまう。今はその呪縛からだいぶ解放されてきましたが。

 

Q.05 制作中によく視聴しているものは何ですか?
一人のときは歌いまくっています。バンプ、ミスチルなど。
アシスタントがいるときは気をつかいます笑。
聴き流せるジャズとか、無難なヒットチャートになります。

歌いながら制作している姿を想像してしまいました。ミュージカルみたいですね(笑)(とに〜)

 

Q.06 アトリエの一番のこだわり or 自慢の制作道具など教えてください。
大型の窯です。窯の規模が作品の規模に直結します。現在のアトリエは今年の8月から入居し、窯は10月に設置したばかりです。これで大きな作品を作れます。造形道具は鉄ベラ、木ベラ、書き出しベラを使います。電動工具は学生時代からコツコツ集めました。

水源-ジャッカル-

 

Q.07 青春時代、一番影響を受けたものは何ですか?
マンガです。マンガ家になりたい時期もありました。

 

Q.08 子供の頃に一番好きだったテレビ番組は何ですか?
ドラゴンボールの再放送かな?あんまり覚えてないです。
テレビよりもマンガ、図鑑やパズル、ブロック遊びが好きな子どもでした。

 

Q.09 今一番会ってみたい人は誰ですか?
なかなか会えていない友人です。面識のない方で自分から会ってみたい人はあまりいません。今の交友関係を全力で大切にしたいです。憧れの人も、陰で応援したいタイプ。

水源-サーバル-

 

Q.10 思いっきり地元の自慢をしてください。
神奈川県小田原市といいます。海・川・山に囲まれている珍しい土地です。適度に栄え、適度に自然があり、とても住みやすい街です。東京駅まで新幹線で30分で行けます。
近い将来、小田原に自宅兼アトリエを建てたいと思っています。

小田原は美味しいお店も多く、良い街ですよね!箱根の美術館を訪れる帰りに、小田原でご飯して帰ることもよくあります。最近は小田原城で観たサルの姿に癒されました。(とに〜)

 

Q.11 「これ絶対美味しいから食べてみて!」と人に薦めたいものがあれば教えてください。(食材、料理、調理法など)
料理大好きです。彫刻家でやっていけなくなったら料理家になるかもしれません。オススメは鶏胸肉の調理法。塩こうじと酒に漬けて低温調理。よくやります。

 

Q.12 最後の晩餐ならぬ最後の晩アート。人生の最後に観たいアート作品は何ですか?
まだローマもギリシャもエジプトも行けていないので、人生で一度は見なければならないものが多すぎます。中でもミケランジェロの「ピエタ」はみないと死ねません。

 

Q.13 もしも、動物の能力を何か一つ手に入れることができるとしたら何が欲しいですか?(例:犬の嗅覚、チーターの足の速さetc...)
僕は人類はこれ以上何かを求めちゃいけないと思っています。ヒトも動物ですし。非科学的なこともあまり好きじゃありません。どうでしょう、僕の人間性伝わりますかね。あはは。

伝わりました(笑)
鳥のように飛びたいとか、イルカのように超音波でコミュニケーションを取りたいとか、いろんな動物の能力を欲しがっていました。そんな欲欲しい人間であったことを今、猿のように反省しています。(とに〜)

 

Q.14 自分を動物に例えると何ですか?
犬ですかね。褒められて伸びるタイプ笑。

 

Q.15 もしも作家になってなかったら、今何になっていたと思いますか?
自然にまつわる仕事 or 料理家。なんなら農家とか!?
「自分の能力で何かを人に与え、喜んでもらえること」が幸福論なので、今と似たようなことをやっていると思います。

人に喜んでもらいたい。そんなサービス精神の塊のような瀬戸さんゆえ、アンケートもたっぷり回答頂きました。本当にありがとうございます。意外な職業病や最後に観たいアート作品なども知れて、僕を含めスタッフ一同喜んでおります。小田原に自宅兼アトリエが完成した暁には、お邪魔して瀬戸さんご自慢の鶏胸肉料理をご馳走になれたら、さらに喜ぶこと請け合いです。
野生動物をモチーフにした作品の今後も楽しみですが、瀬戸さんが植物や山、特に天候をモチーフに制作する作品は想像が付かないので、とても楽しみです。仕事柄、褒めることは得意ですので、伸びたくなったらいつでもお呼び付けください。チーターのような速さで駆け付けます。(とに〜)

 

information

ARToVILLA MARKET

 

ARToVILLA-Market_web-banner

ARToVILLA主催、現代アートのエキジビション兼実験店舗「ARToVILLA MARKET」を開催いたします。
瀬戸優さんも出展予定です。

■会期
2022年11月11日(金)〜11月13日(日)

■会場
FabCafe Tokyo, Loftwork COOOP10
〒150-0043
東京都渋谷区道玄坂1丁目22−7道玄坂ピア1F&10F
神泉駅から徒歩5分、渋谷駅から徒歩10分
Google map

■入場料
無料

詳しくはこちら

 

information

2022年12月2日(金)〜12月11日(日)
瀬戸優展 CIRCULATION (渋谷文化村ギャラリー)

作家のアイデンティティ_バナー

ARTIST

瀬戸優

アーティスト

1994年神奈川県小田原市生まれ。 主に野生動物をモチーフとした彫刻作品を制作する。 彫刻の素材であるテラコッタ(土器)は作家の触覚や軌跡がダイレクトに表面に現れ、躍動感のある作品となっている。 主な個展に「瀬戸優展 水源」(アートフェア東京2019四季彩舎ブース)、「瀬戸優展 mother star」(四季彩舎)、「瀬戸優個展 The ERATH KEEPERS」(帝国ホテルMEDEL GALLERY SHU)、「瀬戸優展 MOVEMENT」(GINZA SIXアールグロリューギャラリー)、「瀬戸優展 Flyer's high」(sequence MIYASHITA PARK)などがある。

DOORS

アートテラー・とに~

アートテラー

1983年生まれ。元吉本興業のお笑い芸人。 芸人活動の傍ら趣味で書き続けていたアートブログが人気となり、現在は、独自の切り口で美術の世界をわかりやすく、かつ楽しく紹介する「アートテラー」として活動。 美術館での公式トークイベントでのガイドや美術講座の講師、アートツアーの企画運営をはじめ、雑誌連載、ラジオやテレビへの出演など、幅広く活動中。 アートブログ https://ameblo.jp/artony/ 《主な著書》 『ようこそ!西洋絵画の流れがラクラク頭に入る美術館へ』(誠文堂新光社) 『こども国宝びっくりずかん』(小学館) 

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