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- 東西のアートフェアから、髙田賢三、⾈越桂、Rhizomatiksまで / 編集部が今月、これに行きたい アート備忘録 2024年7月編
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2024.07.03
東西のアートフェアから、髙田賢三、⾈越桂、Rhizomatiksまで / 編集部が今月、これに行きたい アート備忘録 2024年7月編
Illustration / Nao Sakamoto
たくさんの展覧会やイベントの中から、絶対に行くべきアートスポットを編集部が厳選! 毎月のおすすめをピックアップしてご紹介します。
7月は「Tokyo Gendai」と「ART OSAKA2024」の2つのアートフェアが開催。東京オペラシティ アートギャラリーでは髙田賢三の没後初となる大規模個展もスタートします。
「Tokyo Gendai」(パシフィコ横浜・神奈川)
画像提供:Tokyo Gendai | Tokyo Gendai, 2023
国内外から厳選された著名ギャラリーが一堂に会する世界水準のアートフェア。第2回となる今回は、世界20ヵ国から集結する72ものギャラリーによる作品展示に加えて、充実したプログラムを設けることで、国内外の優れたアート作品を新たな視点で探求する機会を提供。プログラムは国籍や世代の異なる女性アーティスト4人にスポットライトを当てた社会課題をテーマにした展示<Tsubomi ‘Flower Bud’>や、4つの大規模なインスタレーションによる展示が注目の<Sato‘Meadow’>、国内を代表する複数の財団による特別展も楽しめる <Ne ‘Root’>など。各界のオピニオンリーダーによるアートトークや、特設のギャラリー・ビューイングも開催予定。
画像提供:Tokyo Gendai | Tokyo Gendai, 2023
「ART OSAKA2024」(大阪市中央公会堂ほか・大阪)
桝本佳子《本 / 壺》セラミック 2023 Courtesy of CANDYBAR Gallery
関西でもっとも長い歴史を持つ現代美術に特化したアートフェアが、大阪の計3会場で開催。大阪市中央公会堂を会場とするブース形式のセクション「Galleries」では、国内外から総勢40以上のギャラリーが出展を予定。20代の若手から国際的に活躍するベテランまで、ギャラリスト独自の審美眼で選び抜かれた作品が展示販売されます。大阪屈指のアートエリア・北加賀屋のクリエイティブセンター大阪(名村造船所大阪工場跡地)とkagoo(カグー)を会場とする「Expanded」は、大型作品・インスタレーションに特化したセクション。21組の国内外作家が出展し、物理的なサイズだけでなくメディアの垣根を越えた作品群を展示販売します。
松田幹也《10,000 コイン/イコン》1セント硬貨 1992 パフォーマンス、リバティストリート/ ブロードウェイ (ニューヨーク) Courtesy of MORI YU GALLERY
会期:「Galleries セクション」2024年7月20日(土)〜7月21日(日)、「Expanded セクション」2024年7月18日(木)〜7月22日(月)
会場:大阪市中央公会堂 3階(中集会室・小集会室・特別室)、クリエイティブセンター大阪
(名村造船所大阪工場跡地)、kagoo(カグー)
公式サイトはこちら
「髙田賢三 夢をかける」(東京オペラシティ アートギャラリー・東京)
初のブティック JUNGLE JAP の店内装飾 1970 年 撮影:岩田弘行
「ケンゾー(KENZO)」の創業者でもあるファッションデザイナーの髙田賢三。日本人デザイナーとしていち早くパリに進出し、ファッション界の常識を打ち破るスタイルを次々と生み出したことで知られる髙田の、没後初となる大規模個展が開催。本展は「色彩の魔術師」と呼ばれた髙田の変遷を衣装展示やデザイン画でたどるとともに、幼少期からのスケッチやアイデアの源泉となった資料、彼を支えた人々との交流を示す写真なども紹介。多角的な視点で人物像を浮かび上がらせ、日本人デザイナーのパイオニアとして世界で活躍した髙田賢三の生涯にわたる創作活動を回顧します。装苑賞を受賞した記念すべき作品をはじめ、国内外のコレクションから厳選したオールド・ケンゾーは必見です。
1971-1972 秋冬 文化出版局 ©High Fashion 撮影:大西公平
会期:2024年7月6日(土)~9月16日(月)
会場:東京オペラシティ アートギャラリー
住所:東京都新宿区西新宿3-20-2
公式サイトはこちら
彫刻の森美術館 開館55周年記念「⾈越桂 森へ⾏く⽇」(彫刻の森美術館・神奈川)
樹の水の音2019 楠に彩色、大理石 西村画廊蔵 撮影=今井智己 © Katsura Funakoshi Courtesy of Nishimura Gallery ※この写真は所蔵者の許可を得て撮影しています。実際の展示風景と異なります。
彫刻の森美術館の開館55周年を記念して企画された「舟越桂 森へ行く日」。楠を素材とし彩色を施した半身像に大理石の目をはめ込んだスタイルによって、具象彫刻の新たな道を切り拓いた舟越の作品は、国内のみならず第43回ヴェネツィア・ビエンナーレをはじめ、第20回サンパウロ・ビエンナーレ、ドクメンタⅨなど国際展にも多く出品され高い評価を得ました。会場は4つの展示室で構成され、創作活動を垣間見れるデッサンやメモ、人間を見続ける存在としての「スフィンクス」を題材にした作品や、家族のために作ったおもちゃも登場します。生涯を通じて人間とは何かを問い続けた作家の作品の変遷と、その創作の源となる視線に迫る展覧会です。
遠い手のスフィンクス 2006 楠に彩色、大理石、革、鉄 高橋龍太郎コレクション蔵 撮影=内田芳孝 © Katsura Funakoshi Courtesy of Nishimura Gallery
「アブソリュート・チェアーズ 現代美術のなかの椅子なるもの」(愛知県美術館・愛知)
アンナ・ハルプリン《シニアズ・ロッキング》2005年/2010年 Courtesy of ZAS Film AG
単純に座る道具というだけでなく、玉座のように権威の象徴となることもあれば、安楽や拘束のための道具となることもある「椅子」。それは多くのデザイナーや建築家の創造性を刺激する究極のテーマであると同時に、芸術家にとっても魅力的なモチーフでした。 現代美術における椅子は、日常で使う椅子にはない極端なあり⽅、逸脱したあり⽅によって、私たちの思考に揺さぶりをかけます。 本展はそんな椅子の数々を、アート視点で考察。展示されるのは、 主に戦後から現代までの平面・立体・写真・映像・ダンスなど幅広いジャンルの作品約80点における「椅子なるもの」。その表現に着目すると、椅子という⾝近な存在から社会や人間の有り様が見えてきます。
宮永愛子《waiting for awakening -chair-》2017年 写真:木奥恵三 ©︎MIYANAGA Aiko Courtesy of Mizuma Art Gallery
「工芸的美しさの行方―うつわ・包み・装飾」(TERRADA ART COMPLEX Ⅱ BONDED GALLERY・東京)
石塚源太 感触の表裏#32 Photo: Koroda Takeru Courtesy of ARTCOURT Gallery 参考作品
美しさと実用的な価値を兼ね備える日本の美術工芸品は、卓越した技から生み出される精巧さ、その希少性から世界から注目を集めています。本展はキュレーターに秋元雄史、高山健太郎を迎え、日本が誇る伝統的な工芸技法や材料を基点とし、現代アートの表現力、コンセプトを併せもつ作品を制作する10人のアーティストを紹介するもの。関西に加えて北陸のアーティストも参加し、日本の美術工芸にとって重要地域である北陸地域の震災復興にもつなげていく予定とのこと。参加作家は石塚源太、近藤高弘、佐々木類、四代 田辺竹雲斎、塚田美登里、中田真裕、中村卓夫、畠山耕治、牟田陽日、やまわきてるり。
牟田陽日 The Pots of Wolves 参考作品
「Rhizomatiks Beyond Perception」(KOTARO NUKAGA 天王洲・東京)
KOTARO NUKAGA(天王洲) |「Rhizomatiks Beyond Perception」メインビジュアル
新たなスペースに拡張移転したKOTARO NUKAGAのオープニングを飾るのは、ライゾマティクスによるギャラリーでの初の大規模展覧会。真鍋大度・石橋素が主宰するクリエイティブコレクティブで、技術と表現の新しい可能性を探求し、研究開発要素の強い実験的なプロジェクトを中心に活動を展開しているライゾマティクス。本展では「AIと生成芸術」をテーマとし、「創造的思考プロセス」自体を作品化。展示では、AIモデルがどのように学習し新しいイメージを生成するかを可視化し、同時に現在Big Techのような企業が提供するAIサービスに内在する倫理的、社会的規範によるバイアスによるイメージの操作からの解放についても考察する内容になっています。
KOTARO NUKAGA(天王洲) |「Rhizomatiks Beyond Perception」参考画像《particles 2021》2021 「ライゾマティクス_マルティプレックス」展示風景(東京都現代美術館、2021年) photo by Muryo Homma(Rhizomatiks)
会期:2024年6月29日(土)〜9月28日(土)
会場:KOTARO NUKAGA(天王洲)
住所:東京都品川区東品川1-32-8 TERRADA Art Complex II 1F
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山口幸士+江﨑文武「Reflection / Reverb」curated by 山本憲資(MAHO KUBOTA GALLERY・東京)
山口幸士「Untitled」2024年 Oil on linen 100×100cm
山口幸士がペインティングを作成し、江﨑文武がその風景からインスピレーションを受けて楽曲を制作することで、二人の絵画と音楽が一体と成ったインスタレーション展が実現。山口は日常の風景や身近にあるオブジェクトをモチーフに、ペインティング、ドローイング、コラージュなどさまざまな手法を用いて独特な視点に転換するアーティスト。江﨑はWONKのキーボディストとしても活躍し、King Gnu, Vaundy、米津玄師等、数多くのアーティスト作品にレコーディング、プロデュースで参加している音楽家。会場ではキャンバスと譜面を並べて展示し、自動演奏のピアノがその空間で曲々を奏でることで、二人の世界観が重なり合う。ゲストキュレーターは山本憲資(SML代表)。
上の山口幸士の作品から着想を得て江﨑文武が制作した楽曲の自筆譜(曲の一部)
会期:2024年6月28日(金)〜7月27日(土)
会場:MAHO KUBOTA GALLERY
住所:東京都渋谷区神宮前2-4-7 1F
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