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2022.10.28

焼き物の街で出会ったアート / 連載「 アートの現場にお邪魔しました。」

Text.photo etsuko higuchi

ARToVILLAスタッフが個人的に気になるアートのモノゴトと触れ合いにいく、日記のようなレポートのような連載企画「アートの現場にお邪魔しました」。
プロジェクトスタッフの樋口がお届けするのは、国際芸術祭「あいち2022」の主な会場のひとつ、常滑市でで出会ったアートです。初めて訪れた焼き物の街は迷路のようで、次に何と出会えるのか終始ワクワクしながらの散策は、夏の暑さも忘れる一日となりました。

国際芸術祭「あいち2022」は国内最大規模の国際芸術祭と言われる通り、国内外の100組のアーティストの作品が、愛知芸術文化センターや、一宮市、常滑市、有松地区など、各所で見ることができる芸術祭。金曜日の夕方に名古屋へ到着。まずは愛知芸術文化センターで作品鑑賞し、翌朝常滑市へ向かいました。

 

常滑駅をおり、会場に向かうため迷路のような小道を歩き始めると、目につくのがレンガの煙突でした。現在は使われなくなったレンガの釜や煙突が残った古い街並みの中に、どのように作品が展示されてるのだろうと思いながら、最初に訪れたのは旧丸利陶管。

建物に入ってまず目にしたのが、シカゴ出身シアスター・ゲイツ氏のDJブースネオン管などを設えたインスタレーションの作品。

この古い建物がどことなく祖父母の家に似ており、懐かさを感じながら2階にある作品も鑑賞。
この建物は数年間休眠状態だったそうで、今回これらの作品が展示されたことで、この建物も生まれ変わることができ、きっと喜んでいるだろうなと。

次は工場跡地の方へ移動。建物に入ると目に飛び込んできたのが、数多く並ぶ丸みを帯びた作品。
この作品はコロンビア出身のデルシー・モレロス氏の作品で、もともとアンデス地方の慣習で豊穣を大地に感謝するしるしとして、クッキーを土に埋める儀式があるそうで、今回は常滑の土でそのクッキーに模したものを作ったそうだ。 

実際にシナモンパウダーなども混ぜられているそうで、会場にはシナモンの香りが漂ってました。

この建物の2階や、離れの建物にも作品が展示されており、一通り鑑賞したのち、次の場所へ。

次に向かった廻船問屋 瀧田家では、トゥアン・アンドリュー・グエン氏の映像作品や、梶の木の樹皮を打ち延ばして作られたバーククロスというニーカウ・へンディン氏の作品を鑑賞。
こちらの建物も古くからある建物で、昔ながらの急勾配な階段を恐るおそる登った先にあったこの作品は、個人的に好みの作品だったので、じっくりと作品を鑑賞。

その後、次の展示場所へ向かう途中、突如現れたレンガの煙突と古い窯跡。
一気にタイムスリップした感覚に陥ることができるこの街が、一気に好きになった瞬間でした。

常々(つねづね)では田村 友一郎氏の作品、旧青木製陶所では黒田 大スケ氏、フロレンシア・サディール氏の作品を鑑賞したあと、次の会場を目指す坂道の途中で「もくもくもく」看板を発見!

旧急須店舗・旧鮮魚店へ到着。
こちらには​​尾花 賢一氏の作品展示。「イチジク男」と称されたキャラクターの個人の歴史と常滑の歴史を重ね合わせながら作られた作品が並んでいました。

裏には無花果畑があり、そこにも作品が展示。
本物の無花果と一緒に「イチジク男」のイラストレーションが展示されてる風景が

なんとも言えない味を出していました。

久しぶりに訪れた芸術祭。普段展示しないような環境で作品が見れる楽しさは、芸術祭ならではなのかなと。
次はどこの芸術祭に行けるかな
?!  各地の芸術祭をリサーチしつつこの原稿を書いています。


今回の常滑市は、限られた時間しかなかったため、まだまだ街を知るには消化不良のまま。
またのんびり観光に訪れたいなと思っています。

PROFILE

樋口悦子

大丸松坂屋百貨店

WEB制作会社でのディレクターを経て、2018年大丸松坂屋百貨店入社。店舗サイトのWEB戦略、制作からデジタル系コンテンツ運営を担当。美術館やギャラリー巡りの趣味が高じて、本プロジェクトに参加。 最近もお気に入りのアート作家さんと出会い、作品を購入。 皆さんにもお気に入りの作品に巡り合ってほしいなと日々思っています。

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