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2025.11.05

世界のストリートアートシーンをリードする2組のコラボ展から、東西のアートフェアまで / 編集部が今月、これに行きたい アート備忘録 2025年11月編

Text & Edit / Daisuke Watanuki
Illustration / NARI (LITTLE FUNNY FACE)

たくさんの展覧会やイベントの中から、絶対に行くべきアートスポットを編集部が厳選! 毎月のおすすめをピックアップしてご紹介します。
今月は、世界のストリートアートシーンで大注目のオスジェメオスと、バリー・マッギーのコラボレーション展がスタート。東京と京都では芸術の秋にぴったりなアートフェアが開催。

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先月紹介のイベントもまだまだ楽しめる!

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山城知佳子・志賀理江子の展示から、領域横断型のアートフェスティバルまで / 編集部が今月、これに行きたい アート備忘録 2025年10月編

  • #連載 #展覧会 #アート備忘録

「オスジェメオス+バリー・マッギー One More 展」(ワタリウム美術館・東京)

新作アニメーションルームのための参考図版 OSGEMEOS “Experience” 2023, mixed media animation installation, photo:OSGEMEOS

1998年サンフランシスコ近代美術館で巨大な壁画を発表し、同館のコレクションに選定され、さらに2001年ベニスビエンナーレで世界最大の壁画のインスタレーションを制作したバリー・マッギー。そして昨年から約1年間にわたりワシントンのハーシュホーン美術館で大規模個展を開催したオスジェメオス(1974年ブラジル、サンパウロ生まれの双子の兄弟)。この2組による 世界初のコラボレーション展が開催。街のエネルギーから生まれた彼らの作品が、自由でエネルギーあふれる新しい力を見せてくれる。

参考図版 Barry McGee and OSGEMEOS “Untitled” 2024 Acrylic and spray paint on wood photo:OSGEMEOS

会期:2025年10月17日(金)〜2026年2月8日(日)
会場:ワタリウム美術館
住所:東京都渋谷区神宮前3-7-6
公式サイトはこちら


「磯崎新:群島としての建築」(水戸芸術館 現代美術ギャラリー・茨城)

《孵化過程》1962年、展示風景「Arata Isozaki: PROCESS」2011年 Courtesy of MISA SHIN GALLERY, Tokyo, Photo: Keizo Kioku

2022年末に逝去した、20世紀を代表する建築家・磯崎新の大規模回顧展。同館設計者でもある磯崎をクローズアップする本展は、決して単一の領域にとどまらない磯崎の活動を「群島」のように構成。「都市」「建築」「建築物」「フラックス・ストラクチャー」「テンタティブ・フォーム」「建築外(美術)」をキーワードに、建築模型、図面、スケッチ、インスタレーション、映像、版画、水彩画などさまざまなメディアを通じて紹介。磯崎の軌跡を辿るとともに、建築の枠を超えた磯崎の活動を俯瞰的に観ることができる。

《水戸芸術館》1990年竣工、展示風景「Arata Isozaki: In Formation」2023年 Courtesy of Power Station of Art, Shanghai

会期:2025年11月1日(土)〜2026年1月25日(日)
会場:水戸芸術館 現代美術ギャラリー
住所:茨城県水戸市五軒町1-6-8
公式サイトはこちら


 

 

「上野アーティストプロジェクト2025 刺繍―針がすくいだす世界」(東京都美術館・東京)

平野利太郎《サボテン》(部分)1955年 町田市立博物館蔵

上野アーティストプロジェクトの第9弾。本展では、布地などに針で糸を刺し、縫い重ねる手法によってかたちづくられた多彩な造形と表現に注目。手仕事である刺繍は、つくり手を自分だけの世界に潜り込ませ、安らぎや自己解放、救済をもたらしたり、時間や空間を隔てた他者の生活に想像力を働かせるきっかけにもなる。今回は大正末期から現在にいたる国内の5名の刺し手(平野利太郎、尾上雅野、岡田美佳、伏木庸平、望月真理)の活動を見つめ、針と糸というシンプルな道具とともに続けられてきた営みの意味と可能性を考える機会を提供する。

岡田美佳《ハーブの庭》1996年 作家蔵

会期:2025年11月18日(火)〜2026年1月8日(木)
会場:東京都美術館
住所:東京都台東区上野公園8-36
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「つぐ minä perhonen」(世田谷美術館・東京)

“surplus” 2003-04a/w

2025年に創設30周年を迎えたファッション・テキスタイルブランド「ミナ ペルホネン」の、ものづくりに通じるさまざまな「つぐ」のかたちを紹介する展覧会。「つぐ」とは、水面に起こる波紋のようなイメージの言葉だそう。創設者でデザイナーの皆川 明が落としたミナ ペルホネンの活動という一雫は、共鳴する人々をつなぎ、手技を生み、新たなクリエイションへとその波紋を広げてきた。洋服やプロダクトのほか、オリジナルのテキスタイルやそれらの原画などにより、100年先へと歩みを進める仕事と思想に触れられる。

“kivi” 2025-26a/w Photo: Keita Goto(W)

会期:2025年11月22日(土)〜2026年2月1日(日)
会場:世田谷美術館
住所:東京都世田谷区砧公園1-2
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「EASTEAST_TOKYO 2025」(科学技術館・東京)

東京を拠点に、アートやその周辺領域で活動する文化従事者たちによって設立された、独立性と連帯の精神をもつアートフェア。2年ぶりの開催となる今回は、初参加の国内ギャラリー/スペースに加え、海外からも注目のギャラリーを招聘。アートや文化に携わる多様な立場の人々が集まり、現場の実践から見えてくる課題について意見を交わすフォーラムや、東京をはじめローカルに根付いたカルチャーシーンやコミュニティと直接つながるオフサイト企画など、表現のリアリティと可能性に価値を置いた多彩なプログラムを展開する。

EASTEAST_TOKYO 2023 Venue Photography by Kei Murata

会期:2025年11月8日(土)〜11月10日(月)
会場:科学技術館
住所:東京都千代田区北の丸公園2-1
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「AWT FOCUS」(大倉集古館・東京)

風間サチコ《黒い花電車-僕の代》2008年 Courtesy Mujin-to Production

美術館での作品鑑賞とギャラリーでの作品購入を掛け合わせたアートウィーク東京独自の特別展。国際芸術祭「ドクメンタ14」 でアーティスティックディレクターを務めたアダム・シムジックが監修を担当し、今年のプログラムタイトルは「リアルとは?」となる。ポスト・トゥルースの幻想が広められ、ソーシャルメディアでは非現実が生成・拡散される現代において、「リアル(現実/写実)」はどういう意味を持つのか。作家たちが社会的・政治的課題に応答しながら探求してきた「リアル」の多様な表現を垣間見られる。

ネヴィン・アラダグ《音楽室:椅子、糸、ベル(ダルムシュタット音楽室より)》2025年 Courtesy Galerie Krinzinger

会期:2025年11月5日(水)〜11月9日(日)
会場:大倉集古館
住所:東京都港区虎ノ門2-10-3
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「Art Collaboration Kyoto (ACK)」(国立京都国際会館ほか・京都)

国内外72ギャラリーが集結する現代美術の国際アートフェア。日本のギャラリーと海外ギャラリーがひとつのブースを共有して展示する「ギャラリーコラボレーション」や、京都にゆかりのある作家や作品を紹介する「キョウトミーティング」といったACKならではのセクションを通して、国際性と地域性が交差する展示空間を創出する。「パブリックプログラム」の展示では、マーティン・ゲルマンと木村こころをゲストキュレーターに迎え、「シンビオーシス:アート、そして共に生きる世界」をキュレトリアルテーマに据えてセレクトした作品で展示を構成する。

「パブリックプログラム」参考作品 イェイン・リー《Devouring Chaos》2022

会期:2025年11月14日(金)〜11月16日(日)
会場:国立京都国際会館ほか
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