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INTERVIEW

2023.04.07

小谷実由と松尾レミがアートな陶芸体験。新しい世界の扉を開きに大井町〈P&A Pottery Class〉へ

Interview&Text / Fumika Ogura
Photo / Shiori Ikeno
Hairmake(Miyu Otani) / Karen Suzuki
Edit / Eisuke Onda

進学したり、就職したり、引っ越ししたり。新しい生活の訪れとともに、ついつい新しいことにも挑戦したくなるもの。肩肘張らず、「正解」「普通」にとらわれなくてもいい。まずは、はじめることが大事。特集テーマ「はじめていい。はじまっていい。」では、アートにまつわる新しい習慣を提案していきます。

最初に紹介するのはアートな“陶芸体験”。さまざまな現代アーティストからも愛され、受講者のクリエイティビティを第一に教えてくれる大井町〈P&A Pottery Class〉に行ってきます。陶芸を“はじめる”のは普段から仲良しのミュージシャン・松尾レミさんと、モデルの小谷実由さん。「今日はとっても楽しみにしてきました!」と楽しそうに陶芸をはじめる二人。はたして、どんなアートが出来上がるのでしょうか?

はじめる場所

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P&A Pottery Class

大井町駅からほど近く、木造アパートを改装したアーティストスタジオの中にある陶芸教室。一から陶芸を学びたい、自由に作品を作りたい、電動ロクロなどの専門技術を習得したいなど、それぞれの“つくりたい”思いを尊重しながら必要な技術を教えている。オーナーの坂爪康太郎さんは陶芸作家としても活躍。

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今回挑戦するのは「うつわ・オブジェづくり ワークショップ」。450グラムの粘土を使い、作りたいものを作る。所要時間は2時間、金額は5000円。申込みは公式HPより。

公式HPはこちら
住所:東京都品川区大井4-20-7 宝田スタジオ1F

はじめる人

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小谷実由(写真左)
モデルで文筆家。両親の影響で幼い頃からミュージシャンのアートワークやグラフィックデザインにも興味を持ちはじめる。そこからアートにも興味を持つ。

松尾レミ(写真右)
GLIM SPANKYのボーカル。60年代~70年代のロックや、バウハウス、シュルレアリスム、幻想文学などに影響を受けてきた。自身でもバンドのグッズデザインを担当。

 

それぞれの“つくりたい”を尊重する教室

ーーこれから陶芸教室を体験してもらいますが、今まで陶芸をしたことがありますか?

小谷:ろくろは体験したことがありますが、粘土から捏ねて作るのははじめてです。ろくろに比べて自由度が高そうなので、自分の頭に描いたものを形にすることができそうですよね。

松尾:私は陶芸教室自体がはじめてなんですが、コロナ禍で改めて陶器の魅力に気づきました。気に入っていた作家さんの器が割れてしまったのがきっかけで、金継ぎを始めたんですが、壊れたものを継ぐことで、その器の新たな側面や良さが見えてきたんです。改めて、陶器は永久に使えるものだというのを実感しました。今日もとても楽しみにしていて、いろんなデザインを考えてきました。

ーーもともと、この教室のことは知られていたんですよね。

小谷:インスタでチェックをしていた場所でした。陶芸ってこれまでは渋いイメージで、コップやお皿など、食器を作るのを想像していたんですが、フィードにポストされる作品がオブジェやフラワーベースなど、カラフルでポップなものが多かったので、創作意欲が掻き立てられました。

松尾:この陶芸教室が入っているスタジオを作ったメンバーの一人が友人なんです。それをきっかけにこの場所を知ったんですが、ここで体験をしている人たちが、概念にとらわれずにさまざまな作品を制作しているのが魅力的だなと思っていました。

PAinstagram

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ーー今回はP&A Pottery Classの坂爪麻美さんがお二人の講師を担当します。改めて教室の特徴を教えて下さい。

坂爪:最初は夫が陶芸作家なので、陶芸ができるアトリエを作って、自身の作品制作の隙間時間で陶芸教室を開いたのが始まりです。その後、私も講師として参加するようになりました。夫がオブジェなどの立体作品を制作する作家ということもあり、お二人が仰ってくださっているように、お皿などの器よりも立体作品を作りたいと思って来てくださる人が多いです。器作家さんがお教えしている陶芸教室が多いなか、立体作品を制作する講師の陶芸教室は珍しく、ノウハウを教えてくれる場所があまりないんですよね。

ーー普段、陶芸教室にはどのようなお客さんが多いですか?

坂爪:お二人のように20代〜30代の女性の方が多いです。これまで陶芸をやったことがない人がほとんどで、友人やご家族同士でいらっしゃいます。目的はさまざまで、陶芸全般をマスターしたい人もいれば、電動ろくろを習得したい人もいますし、絵付けを重点的にやりたい人や、立体作品をつくっていきたいひともいます。それぞれの目標があるなかで、なるべく最短ルートでやりたいことだけを選べるようにしています。なにかものづくりをするときに、実験的に制作できる環境が大切だと感じているので、なるべく最初のハードルを下げ、気軽に制作ができるようにしていますね。

デザインスケッチを坂爪さんに説明するレミさん

ーー今回、事前に考えてきたデザインについて教えてください。

小谷:飼っている猫、しらすをモチーフにしたカセットテープ入れです。猫の置物を集めているんですが、ただの置物だと似たようなものがあるかもなと思い、好きなジャケットのカセットテープを飾れるようなデザインにしました。好きなもの同士の組み合わせです。

おみゆさんの家の猫「しらす」

左がおみゆさんの考えてきたネコ型のカセットテープ置き。右がレミさんデザインのお香立て

松尾:お香やセージを置くためのお香立てを作ろうと思っています。普段、自宅で楽曲制作をするんですが、お香を焚いて気持ちを整えてからスタートさせるんです。毎日欠かさずに使うものを、どこにも売っていないデザインで作りたいと思いました。星や虹などのモチーフを作って、近未来的な感じをイメージしています。

坂爪:まずはおみゆさんは猫の身体の部分から、レミさんはお香を乗せるお皿の部分から作っていきます。陶芸は工程が多いので、数日に分けて作業を行って完成させるのですが、教室では2時間のうちにご自身でなるべくできるところまでを行ってもらえるように工夫しています。私たちも作り方を教えますが、基本的にご自身で作業を行って頂いていて、サポートしすぎないように気をつけています。

「粘土とか大人になってからやってないから、何から始めたらいいのやら…!」(小谷)

お香立ての皿を作りながら「なんかクッキー作りみたい」(松尾)。「わ、まんまるに作れて凄い!」(小谷)

愛猫しらすの顔を作りながら「しらちゃん形にしていくよ〜、ほっぺが膨らんでいるんですけど、それも表現できたら嬉しいな」(小谷)。「もうすでに可愛い」(松尾)

平にした粘土を皿の形にカッティングしていく。難しいところなどあればその都度、先生が道具の使い方を紹介してくれる。粘土を焼くと10%縮むため少し大きめに制作。「サイズを考えるのが意外と難しい」(松尾)

皿が完成してお香立てのパーツを作るレミさん。横目におみゆさんが「もう完成してきている!」

黙々と作業に没頭する二人。おみゆさんがしらすの胴体を作りながら「細かいこと気になりだすとずっと直しちゃう」と語ると「終わりがないので、制限時間を設けないとずっとやっちゃいますよ」と坂爪さん

作業すること約1時間半。気がつけばおみゆさんのしらすの顔と胴体も完成

形ができたので一旦ドライヤーで乾燥。その後、胴体を切って中の粘土を削ることで、作品の中身を空洞にする(この工程を入れることで窯で焼いた時に爆発することを防ぐ効果がある)。そして、再び形を整えていく

体験も残り15分、カセットテープが収まるサイズの溝を作るおみゆさん。「しっ、しらちゃんがカセットテープ持っている!」(小谷)。どうやら完成した様子だ

一方レミさんは皿の上にのせる星や丸型の陶器を製作中。理想の形を手探りで追い求めていく

星型の陶器に穴を開けながら「きれいに作った形が崩れないか.......慎重になります」(松尾)

シンプルな幾何学だからこそ苦戦するレミさん。教室終了ぎりぎりのところでようやく完成しサインを入れる

形ができたらどの場所に、どんな色で着彩をするのか指定の紙に記入し体験は終了

 

指先を研ぎ澄ます、セラピーのような時間

ーー2時間の体験を経て、いかがでしたか?

小谷:自分の手を動かしてなにかを作ることにこれまで苦手意識がありました。なので、粘土を捏ね始めたときは、どこからスタートすればいいのか本当にわからなかったんですが、坂爪先生が猫の顔を作って見せてくれたときに、「こうすればいいんだ!」と気づいて、耳を作り始めたらどんどん進んでいきました。写真を見ながら制作していきましたが、普段、しらすを撫でているときの感触を手が覚えていて、頬骨の出方や身体のくぼみなどがリンクしたのが嬉しかったです。不器用ですが、自分の手を通してしらすの型を表現できたことが、少し自信になりました。

実践しながら顔の作り方を教える坂爪さん

松尾:普段からグラフィックデザインなどもしていますが、平面と立体では考え方や技術がまったく違うので、すごく難しかったです。土台の部分となるお皿作りは、めん棒を使いながら粘土を伸ばしていく作業が、クッキー作りのようで楽しかったですね。日常のなかで、指先の感覚と作ったものだけに集中すればいい時間って、なかなかないと思うんですが、こうしたモノ作りは、セラピーのような役割も果たしてくれると改めて感じました。ある意味、精神統一できる時間になりますよね。

職人のような手付きで粘土を平たくするレミさん

坂爪:陶芸は、指の力の入れ方や動かし方など、指先の感覚を追いながら制作していくので、スポーツにも少し近い感覚かもしれません。陶芸をしたあとは、「作っている間夢中になって、時間があっという間でした」「無心になれていいですね」という声をよく聞きます。レミさんがおっしゃっているように、普段はいろいろと考えなくてはいけないことが多いので、無心になる時間を作ることが大切になっているのかもしれないですね。また、粘土にはヒーリング効果があるようです。粘土を捏ねながら話をすると、一時的に自分が子どもに戻ったような感覚になり、よけいな体裁や常識などは考えずに、自分に対して素直に向き合うことが出来るみたいです。

小谷:確かに、こんなに無心で手が泥だらけになったのは久々でした。普段はスマートフォンの画面が少し汚れただけで気になるのに、画面が粘土にまみれてもまったく気にならなかったです(笑)。

ーー制作していくなかで、とくに楽しかったところや難しかったところを教えてください。

小谷:しらすの顔の部分ですかね。最初作ったとき、身体と比べたら顔がすごく大きくなってしまいました。せっかく綺麗に作ったから壊したくなかったけど、思い切って削ってみたら、身体とのバランスが取れて、さらにしらすへ近づいたんです。そういう勢いも大事なんだなと思いました。少し違うなと思ったら、すぐに修正ができるところも魅力ですよね。

胴体を作り、顔を付けてみるが、なかなかプロポーションが合わず苦戦

指先でしらすの体を再現していく

松尾:私は星と器に苦戦しました。

小谷:すごく悩んでたよね!

松尾:本当は器を円錐の形にしたかったんです。けど、それを作るのがすごく難しかったので、器型に変更しました。今回は諦めてデザインを変えましたが、粘土は彫ったり重ねたり、いろいろな手法があるので、次の機会までにいろんな方法を模索できたらなと思ったりして、飽きることがないなと思いました。

星の形をつくるために丁寧に磨きをかける

残り5分前まで皿に乗せるパーツの形を試行錯誤するレミさん

小谷:焼き上がりが今から楽しみです。色もつけたら雰囲気もだいぶ変わりそうですし。

松尾:しらすの身体の部分は、すごくリアルだよね。本当に身体に骨があるみたいに見える(笑)。

小谷:ベロもつけたらさらに本物に近づいたかも。普段一緒に過ごしている成果が出たかな。レミちゃんのお香たては、それぞれが別でも使えるから、お皿の部分はアクセサリー置きにもできそうだよね。

おみゆさんが制作した《しらすのカセットテープ置き》

レミさんが制作した《お香立て》

 

自分で“つくる”ことで、日常が輝き出す

ーーレミさんは音楽やライブのグッズ制作、おみゆさんはさまざまなブランドとコラボレーションしてなにか制作されることもありますが、ゼロからなにかを陶芸でつくる体験と、これまでの制作の違いはどのようなものだと感じましたか?

小谷:アパレルブランドとコラボレーションするときは、もともとベースになるアイテムがあるなかで、丈の長さや、ジップなどの細かいディテールのアイディアを提案させていただくことがほとんどなので、これまでゼロからなにかを作ってきたことがあまりないんです。今回はしらすの写真があったとはいえ、はじめて真っ新な状態から作る体験だったので、いつも以上に新鮮な気持ちで臨めました。ゼロから何かを作ることに対して、これまでは苦手意識がありましたが、生み出す楽しさを知ることができてよかったです。

松尾:さっきもちらっとお話したんですが、平面と立体でのモノ作りの違いに改めて気付かされました。これまでもたまに彫刻などはしていたのですが、絵を描くことに比べて、イメージしているものを形にしていくのが、すごく難しいことだなと感じていました。今回も同じように苦戦する部分はあったのですが、制作過程を通して、少しいびつな部分があったとしても、それはその時だけしかできない奇跡の形ということで、思った通りにいかない良さがあるのかなと思いました

小谷:確かにそうだよね。自分の手の中でどういう風に転がっていくのかもおもしろい部分だよね。

ーーアートに触れることや、なにかつくるという習慣は、まだまだハードルが高いものにも感じます。実際に一歩踏み出すのに躊躇してる人に向けて「つくること」や「誰かの表現に触れることの」の魅力を教えてください。

小谷:私自身、腰が重たいタイプなんですが、ここ数年は、これまでやってみたことがないことは1回でもやってみたほうがいいなっていうのを改めて実感しています。モノ作りだけでなく、どんなことにも当てはまると思うんですが、一歩踏み出すことで、自分がいままでいた場所を客観視できたり、新しい世界を知れたり。体験を通して、いつもと違う自分の一面を見られることができると思うんです。この記事での私の姿を通して「やってみたいな」と、思ってもらえたら嬉しいですね。

松尾:例えば、丸い型を作るにしても、作る人によって丸の形は変わってくると思うんです。大きい人もいれば、小さい人もいる。同じ丸は絶対にできないですし、デザインや造形が難しそうだと思ったとしても、迷わずに手を動かしていくのが正解なのかなと思います。制作していくうちに、それが自分のモノになっていくんですよね。そして、なによりも自分の手を通して作ったものは、愛着が湧きます。例えば、お皿を作ったとしたら、それで食べるご飯は何倍も美味しく感じられるし、それだけで日常がすごく輝くと思うんです。悩みながら作ったものは、完成したときに本当に深い達成感と喜びを感じることができるので、ぜひ多くの人にチャレンジしてもらいたいですね。

ーー完成した作品はどこに飾る予定ですか?

小谷:猫の置物などを飾っている棚に置いて、しらすにはその横で同じような座り方をしてほしい。置物としらすの2ショットを撮影するのが目標です。

松尾:リビングにあるお香立てコーナーのところに置いて、毎日使いたいですね。いつも以上に仕事が捗るような気がします。

 

陶芸教室で作ったアートが完成!

《しらすのカセットテープ置き》
作:小谷実由

「トレードマークのハチワレ柄の色がついて、よりそっくりになって我が家にやってきました。しらすの横にそっと置いてみると即興味を持っていたので仲良く並ぶ姿がこれからたくさん見れるかもと思うと楽しみ。焼くと少し縮まるとのことだったのですが、カセットを置く場所をジャストサイズで作ってしまったのでカセットが想定の形で置けませんでしたが、この置き方もしらすがカセットを紹介してるみたいで可愛いので大満足。自然な流れに任せて出来たものなので思い入れがすごく強くなりました。次回トライするときはこの経験も参考にします!」(小谷)

《お香立て》
作:GLIM SPANKY 松尾レミ

「色々な形状のお香をこれひとつで楽しめるインセンスプレートを製作しました。アーチ型のオブジェはスティックタイプ、星形のオブジェはパロサントスティックに。小さい器は粉状のものに使えます(円錐型のお香はそのままプレートへ)。全て個別に焼いているので、お香によって自由な使い方が可能です。SF小説に出てくる無機質な街に見えたり、雲の上の世界のようにも見える、ユニークな形を目指しました。手ごねの温かみがしっかり残る作品になったと思います。焼き上がりをすごく心待ちにしていました。届いた日は大喜び! シンプルで日常に溶け込む白の釉薬がすごく素敵で、使い込んでいくとどういう空気を醸し出すのか楽しみで仕方がありません。陶芸体験は初めてでしたが、本当にやってよかったです。存在しないけれど欲しいものを作るってとってもクリエイティブだし、陶器なので長く使えるってところが最高。毎日愛用していこうと思います。是非また体験しに行きたいです。次はかわいい器を作ろうかなあ」(松尾)

DOORS

小谷実由

モデル/文筆家

1991年東京生まれ。14歳からモデルとして活動を始める。自分の好きなものを発信することが誰かの日々の小さなきっかけになることを願いながら、エッセイの執筆、ブランドとのコラボレーションなども取り組む。 猫と純喫茶が好き。通称・おみゆ。 2022 年7 月に初の書籍『隙間時間(ループ舎)』を刊行。

DOORS

松尾レミ

ミュージシャン

日本大学芸術学部デザイン学科中退。男女二人組のロックユニット・GLIM SPANKYのボーカル。家族の影響で幼い頃から音楽やアートなど様々なカルチャーに触れて育つ。特に影響を受けたものは60年代~70年代のロックや、バウハウス、シュールレアリズム、幻想文学など。GLIM SPANKYのツアーグッズやアートワークも松尾自信が手掛けている。

volume 05

はじめていい。
はじまっていい。

新しいことは、きっと誰でもいつでも、はじめていいのです。
だけど、なにからはじめたらいいかわからなかったり、
うまくできない自分を想像すると恥ずかしかったり、
続かないかもしれないと諦めてしまったり。
それでも、型や「正解」「普通」だけにとらわれずに
はじめてみる方法がきっとあるはずです。
この特集では「はじめたい」と思ったそのときの
心の膨らみを大切に育てるための方法を集めました。
それぞれの人がはじめの一歩を踏み出せますように。

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